新年あけましておめでとうございます。
皆様におかれましては、輝かしい新春をお迎えのこととお喜び申し上げます。

皆さんは、NHKテレビで毎月最終木曜日に放送されている「魔改造の夜」をご覧になったことがありますか。
「魔改造倶楽部」と称する謎の組織が主催する秘密の夜会に、超一流のエンジニアたちが集結し、極限のアイデアと技術力を競う技術開発エンターテインメント番組です。主催者から出されるお題に合わせて、「子どものおもちゃ」や「日常使用の家電」が、次々と「えげつないモンスター」へと変貌していきます。そのお題は、「パンダちゃん大玉転がし」「お掃除ロボット走り幅跳び」「電動マッサージ器25mドラッグレース」など、どれも一見ばかばかしく、常識を超えたものばかりです。しかし、挑戦するチームは本気です。勝てば抱き合って涙し、負けても肩を組んで涙する。その姿に胸を打たれます。チャレンジは思うようにいかないことが多いものの、「失敗にめげず、すぐに改善点を挙げ、もっとすごいものを作ってやる」という執念には、ものづくりの原点が宿っています。
さて、今回、新たな九州国立病院機構診療放射線技師会のスローガンを「Beyond the legacy into the future ―継承と挑戦―」とさせていただきました。
これは、先人たちが培ってきた伝統を受け継ぎながら、新しい時代へ果敢に挑んでいこうという思いを込めたものです。一見、「伝統を守る」と「しい時代に挑戦する」は相反するように見えますが、実は両立してこそ発展が生まれます。伝統を顧みずに新しさだけを追えば、方向性を見失い、一過性の変化で終わるでしょう。逆に伝統に縛られすぎれば、時代の変化に取り残されます。この両者のバランスを保つことこそ、成長と進化の鍵だと考えます。
私たちの技師会も、また各施設の職場も、一つのチームです。挑戦や失敗、そして議論を重ねることで、より良いチームへと成熟していきます。それぞれが能力を存分に発揮し、限界を自ら決めずに挑戦できる環境が根づいていけば、きっと「魔改造の夜」のような創造的な文化が生まれるはずです。その先には、誰も想像しなかった「えげつないモンスター(新たな成果)」が誕生するかもしれません。
今年の干支は「馬」です。古来より、馬は力強く風を切って走る姿から「前進」「飛躍」の象徴とされてきました。どんなに俊足の馬でも、ときに躓くことがあります。しかし、馬はすぐに立ち上がり、再び前を向いて走り出します。
私たちもまた、日々の業務のなかで試行錯誤を繰り返しながら、より良い診療と技術の向上を目指しています。
「魔改造の夜」のコンセプトである「失敗してもかまわない」―― この精神を胸に、一歩一歩未来へ向かって駆け抜けていきましょう。

 

魔改造の夜
会長 丸山 裕稔(熊本医療センター)